【特集 Part.3】

30〜40代向けの血圧計訴求<br/>課題は意識向上と継続 日本ヘルスケア協会発足
30〜40代向けの血圧計訴求
課題は意識向上と継続

前2パートでは、健康寿命延伸をテーマにした国の施策と、それを具体的に推進する日本ヘルスケア協会の活動を紹介した。では、健康機器を取り扱うメーカーはこのテーマにおいてどのような取り組みをしているのだろう。オムロン ヘルスケアに聞いた。

 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」によると、日本の高血圧症患者は、未治療の人を含めると、約4,300万人と推計されている。
 高血圧症患者数は、年齢に比例して多くなる。血管が老化して固くなることが高血圧につながるからだ。しかし、実は30代、40代でも、高血圧症患者は多い。
 同ガイドラインによれば、特に男性の患者が多く、30代男性は20.0%で5人に1人、40代男性は29.9%で約4人に1人となって
いる。
 高血圧が引き起こす脳心血管疾患(冠動脈疾患※1、脳卒中など)では、65歳以上の高齢者より65歳未満の方が発症のリスクが高い。
 また、血圧計を発売しているオムロン ヘルスケアは認知症と高血圧の因果関係を指摘。アルツハイマー型認知症や血管性認知症は、中年期の高血圧が発症の危険因子であることが明確になってきたのだ※2。
 認知症においては、図1を見ると、中年期(40代まで)の高血圧を中年期のうちに降圧治療した場合、未治療の場合と比べて、認知症の発症を大幅に抑制できている。
 脳心血管疾患においても、「30〜40代で高血圧と判明した場合、早期に病院を受診すれば、降圧することが可能です。また、若年期のうちに降圧すれば、病気のリスクも軽減することができます」(オムロン ヘルスケア 担当者)

健康寿命延伸に向けて
若いうちからのケアを

 健康寿命延伸を実現するには、病気の予防、早期発見、早期治療のために健康管理をする個人の高い意識が不可欠だ。
 しかし、図2のように、高血圧症(未自覚の人も含む)なのに未通院の人は多い。その理由は主に下記3点だ。
◦自分の症状を知るのが怖い
◦まだ大丈夫だという楽観
◦血圧管理は小難しい
 自身の血圧状態を知るというハードル、そして治療に踏み切っても、自己管理の継続ができずに治療を中断する人が多いのが大きな課題となっている。

意識向上、継続に向けて

 オムロン ヘルスケアは、30〜40代の層をターゲットにした血圧計を販売している。上腕式血圧計「HEM-7280C」と手首式血圧計「HEM-6321T」だ。
 健康に危機感をあまり持っていない層に血圧測定を継続してもらうには、ルーティンとして生活習慣の中に血圧測定を組み込むことが必要だ。そのためには簡単に測れることが重要。
 これらの二機種はカフが適正な強さ(「HEM-6321T」は正しく測定できる手首の位置も)で正しく巻けているかをチェックして画面で知らせてくれる。初心者でも簡単に適正な血圧測定ができるのだ。操作性だけでなくデザインも気を配り、スタイリッシュなカラーとラウンド型を採用している。
 また、デジタルデバイスに慣れたユーザーに好評なのが、ネット連携。測定データをiPhoneとAndroid※3スマートフォンに転送し、専用アプリ「からだグラフ」でデータの管理が可能だ。
 「血圧は、体に負荷を掛けずに誰でも採ることのできる生体情報です。測ることによって、健康だと思っていても変化が見つかることがあります。高血圧症と診断されていない若い方にも、継続した計測をしていただきたい」(前同)
 同社は30代への訴求の一環として、SNSでの拡散も試みている。ツイッター上で「#35歳からはじめたい血圧測定」とハッシュタグをつけてアピールしているのだ。
 若い層に対して健康への意識向上を促すには、ネットは欠かせないツールだ。機器とスマホなどのデバイスをつないで測定データの管理をするだけでなく、SNSで他者の健康管理の様子などの情報を得ることで、自身の健康に目を向けるきっかけになり、モチベーション維持にも活用できる。
 このようにメーカーは自社製品を通して健康寿命延伸に向けた消費者への健康意識改革を促している。

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