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AOSテクノロジーズ 【本誌全文掲載】
データ復旧成功実績94%!
あらゆる記録媒体に対応

パソコン、スマホ、レコーダーとデバイスや用途は違っても、いずれもデータの記録や読み取り・再生が不可欠だ。しかし、データは壊れることもある。壊れたり、消失したデータを元の状態に戻す。それがAOSが行っているデータ復旧だ。

 1995年3月に設立されたAOSテクノロジーズは、データ復旧や移行・消去、バックアップなどを主な業務内容とする子会社3社からなるホールディングカンパニーだ。
 子会社の3社は日本データ復旧サービスセンターを運営するAOSリーガルテックと、データ復旧ソフトやデータ移行ソフトなどを開発・販売しているAOSデータ、そしてモバイル系のコミュニケーションツールやクラウドサービスを展開するAOSモバイルである。
 AOSリーガルテック(以下同社)は前述のとおり、日本データ復旧サービスセンターを運営しており、HDDに限らず、メモリカードからCD、DVD、スマホなど、すべての媒体に対してデータ復旧の対応を行っている。
 近年、民事や刑事などの事件において証拠となるデータをデバイスやアクセスログから取り出すフォレンジック調査が急増している。同社ではこのフォレンジック事業も展開。数多くの実績を上げており、データ復旧に関しては日本有数の高い技術力を誇っている。

復旧依頼は増加傾向

 データ復旧の年間需要とは、どのくらいのものだろうか。日本データ復旧協会(DRAJ)が毎年公表している数値は、パソコンなどの需
要に係数を掛ける理論値だが、約81,000件とのこと。同社の推定では、見積もりまでのレベルだと10万件弱ではないかと見ている。
 HDDをメーンの保存媒体とするパソコンの需要は一時的な増加はあるものの、減少基調で推移している。同社への依頼もこれに連動する部分があるのだが、それでも需要とは逆に増加傾向にあるという。
 その要因としては、データ自体の価値が上がっていることと復旧に要する価格面での敷居が下がっているためと同社では見ている。
 ビッグデータという言葉が示すように、ビジネスでのデータの重要性は言うまでもない。データが多ければ多いほど、さまざまな分析や予測が可能となる。それだけデータが持つ価値は従来よりも高まっているのだ。
 また、個人においても写真や動画、あるいは住所録などをデータ
として保存するようになってきた。昨今はスマホが単なる通信機器としての役割のみならず、データの保存機器としても用いられるようになっており、個人にとってもデータの価値は高くなっているといえよう。

修理・復旧が困難な物理障害

 媒体に保存していたデータが壊れたとき、その原因として考えられるのは論理障害と物理障害の2つ。論理障害とは、ファイルシステムなどが破損してデータが読み取れない状態になること。物理障害とは、媒体自体が外的衝撃などの理由で破損したことを指す。
 データ復旧で難しいのが、この物理障害によるものだ。パソコンや外付けなどのHDDの場合、HDDを開けて記録媒体であるプラッターからデータを読み取らなくてはならない。
 また、スマホやメモリカードなどでは、メモリチップが実装されている基板から熱で融解してチップを外す。外したチップからさらにハンダ類を取り除き、出荷状態に近い形に戻してからデータを復旧させることが必要という。
 いずれのケースでもホコリやゴミが内部に混入しないためのクリーンルーム等の修理環境とともに高度な技術力と修理のためのスペアパーツ類が必要不可欠。同社では、このすべてを揃えており、そのためにどのような媒体でもデータ復旧対応が可能。その復旧成功実績は2015年で94%と非常に高い水準にある。
 実際の復旧作業を行う現場では個人情報を扱うため、指紋認証と監視カメラによるレベル1〜3の3段階での厳重なセキュリティー体制を構築している。
 媒体が現場に入った後は完全に現場での作業となるため、個人情報は厳重に保護される仕組みだ。
 現在、同社ではパソコンやカメラ、周辺機器などのメーカーやキャリアと業務提携を結んでいる。提携の一例を挙げると、メーカーに持ち込まれた重度の障害がある媒体の場合、同社にデータ復旧の依頼がくる。キャリアの場合は、毎月の利用料にデータ復旧の保険という形で課金対応しているものもある。
 さらに家電量販店においても複数の企業と提携。店舗で預かった顧客のデバイスを同社に送り、復旧して再度、店舗に戻すという形で対応をしているという。
 店舗対応では定額料金対応をすることで、店舗サイドもお客に対する料金の分かりやすさを提示でき、さらにデバイスを同社に送った後の対応は一切手間が要らないというメリットもある。
 家電量販店の店舗には持ち込み修理を依頼するお客が多く来店する。HDDやメモリを内蔵する機器の修理ではほとんどの場合、保存しているデータの保障はしていない。メーカーに依頼した修理でも同様だ。
 そのため、データの復旧ができることに気がついていない消費者は多い。データ復旧という新たな取り組みについて、改めて検討する価値はあるのではないだろうか。
 現実問題として、法人、個人を問わずデータ復旧の依頼は増加傾向にある。依頼客に対して機器の修理とは別にデータ復旧を提案できれば、お客に対するCSアップにもつながり、顧客の囲い込みにもつながるはずだ。

企業向けチャット「InCircle」

 フォレンジック調査で急増しているのがLINEなどの無料チャットのデータ復旧依頼。個人向けツールはどうしてもセキュリティーが甘く、業務で利用する場合は危険性が大だ。そこでAOSモバイルは、チャットの手軽さと強固なセキュリティーを両立する企業用コミュニケーションアプリの「InCircle」を開発し、2014年7月からサービス展開をしている。
 すでに多くの大手メーカーや銀行、商社などで導入されており、メールよりも開封率が高く、複数のユーザーが同時にコミュニケーションを取ることができる。実際の導入企業では営業日報をすべて「InCircle」に切り替え、その日の報告がリアルタイムで共有できるようになり、情報共有の効率化が著しく進んだという。
 シンプルな操作性で、画像や添付ファイルも送信可能。情報通信機器に対するリテラシーの低いユーザーでも難なく使いこなすことができるのも大きなポイントである。
 メーカーのセールスや家電量販店のエリア内店舗など、スピーディーな情報共有を必要とする用途に最適なツールといえるだろう。
 データにフォーカスし、高い技術力とユーザビリティに対応した製品、サービスを展開しているAOSテクノロジーズ。「いい技術は世の中を幸せにする」という企業理念で、ソリューション展開を今後も進めていく方針だ。(風間理男)

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